形式的に加入するのではなく、しっかり実情に合わせた火災保険の選択を。

住宅購入を決めた後、引渡しを受けるまでに決めておきたい・・大切な要素のひとつが「火災保険の選択」です。 新居の購入から、内覧会・引渡し・引越しの過程の中・・時間に追われる形で「火災保険への加入」は 形式的な対応をしてしまいやすい傾向もあるようです。ローンを組む銀行との打ち合わせにおいて、どんな火災保険と するか・・といった話題が取り上げられることもあるようですが、そんな話を聞く前に、まずは 火災保険の重要性などをしっかり認識しておくことが大切です。

新居の住宅環境・住宅形式(構造、形体)を加味した上で各種自然災害リスクをピックアップする!!

火災 いきなり火災保険の内容・要素を検証する前に、まずは確認しておかなければいけない重要な要素があります。 それが「新居の自然災害リスクのピックアップ」です。 自然災害リスクは、住宅環境の違いや住宅形式(構造、形体など)の違いによって、リスクの有無が大きく変化する 要素です。同じマンションに住んでいたとしても、1階と中間階では、水害のリスクに大きな差がありますよね。 住宅環境や住宅形式のちょっとした違いで、自然災害リスクの種類及び程度が大きく変化するのです。

ですから、まずは新居の周辺環境(自然環境)をしっかり観察して、どんな自然災害に遭遇する可能性がある のか、それとも無いのかを正確に判断しておくことがポイントとなります。日本は自然豊かな環境であると共に、 多種多様な自然現象が存在する地域でもあります。災害を生じる可能性がある各種自然現象を下記に記しておきますので、 それぞれに対するリスクの有無をまずは検証してみていただければと思います。

  • 洪水:豪雨・融雪・高潮による洪水。
  • 津波
  • 地震活動
  • 噴火活動
  • 暴風、竜巻、旋風
  • 降雪、雹
  • 土砂崩れ:山肌の崩落、ガケ崩壊、地盤緩斜面崩壊など
  • 地盤沈下

火災保険上で補償対象となる自然災害の内容・表記を理解しておくことが大切!!

保険の名称は「火災保険」となっていますが、火災以外の様々な自然災害に対する補償を得ることが 出来ます。ただ、その内容は保険商品ごとで大きな差があると共に、基本的には補償対象を選択する ことができるようになっています。 ゆえに、「自分の住宅環境において、自然災害リスクがあるものは補償対象に、災害リスクの無いものは 補償対象外とする」ことが大切なポイントとなるもの。何でもかんでも、対象としておくのは無駄な だけですからね。そこで、火災保険内容を検証する上で大切なポイントをいくつか記しておきたいと 思います。

地震災害に対する補償には、「地震保険」と「地震費用保険」の2種類があります。

地震保険と呼ばれているものは「地震保険に関する法律」に基づいて、日本政府と損害保険会社が共同で運営する保険 となっています。基本的には、火災保険へ加入することによって、選択的(追加)に加入できるのが地震保険となります。 昔は、このような仕組みの地震保険しかなかったのですが、近年の地震災害リスク上昇に伴い、新たに登場したのが 「地震費用保険」です。地震費用保険は、火災保険とは無関係に単独で加入することが出来る保険となっています。

一見同じような自然現象と感じる「津波」と「高潮」。でも保険対応には大きな違いがあるのでご注意を!

一見、同じような自然現象と感じる「津波」と「高潮」ですが、保険対応上は大きな違いがあるので注意が必要です。 「高潮」というのは、台風・低気圧などによって気圧の低下が発生。その結果海水面が普段より著しく高くなる現象を 意味しています。こちらの「高潮」は火災保険の中で選択的に補償対象とすることが出来る要素となっています。

対して、「津波」は、原則的に地震活動に連動する形で発生する自然現象と定義されています。それゆえに、 地震保険の中で保障対象とすることが出来る要素となっており、火災保険の中では対象外となりますので注意が 必要です。(津波保険として、存在するものも有り。)

火災保険の中で補償対象と出来る「土砂崩れ」。でも、地震や地盤沈下に伴う土砂崩れは補償の対象外ですのでご注意を!

火災保険の中で補償対象項目として存在する「土砂崩れ」ですが・・同じ土砂崩れであっても、補償の対象となるものとならないものが あることはご存知ですか?火災保険の中で補償対象となる土砂崩れは、豪雨などによって山肌・ガケ地が崩れるものです。 地滑り、がけ崩れ、土石流などがそんな対象となる自然現象(土砂崩れ)なのです。

対して、同じ土砂崩れであっても、それが地震活動によってもたらされたもの及び地盤沈下を要因として発生した 土砂崩れは、火災保険の補償対象とはなりませんので注意が必要です。これらの土砂崩れに対して補償を得るためには、 地震保険など他の保険の中で補償対象としておくことが必要となります。

  • 火災保険の内容は多種多様。必要な補償と不要な補償をきちんと見極めておくことが大切。
  • 自然災害リスクは多様化。「噴火活動」なども視野に入れておく必要有り。

自分の住宅・生活環境に合わせることが可能な「オーダーメイド型火災保険・地震保険」!!

生活環境が異なれば、自然災害リスクも大きく異なることになります。新居の生活環境・自然環境がどのような 状況となっているのかを把握した後に重要となるのが「状況に適した、火災保険・地震保険」を選ぶという こと。新居の土地環境・自然環境に合わせて、必要な補償要素はしっかり網羅しておくことはもちろんのこと、 不要な補償要素は保険対象としないことも必要なことです。

そのために、最も効果的な保険となるのがオーダーメイド型火災保険・地震保険 と呼ばれるもの。補償対象を選別・選択することで、必要な補償はしっかりと網羅、余分な要素は削って 保険料を安く抑えることが出来るのが特徴の保険です。新居購入時に売主や銀行などから進められるままの 保険に安易に加入してしまうのではなく、土地・住宅環境の特性を理解した上で、適切な保険を選ぶように 心がけたいものです。保険は一生ものですからね。

火災保険