住宅内覧会時の検査ポイントは、季節に応じて変化するもの。冬季節(12月〜2月)の注意ポイント。

日本には四季があります。季節によって自然環境要素(温度・湿度など)が大きく変化するのが、日本ならではの 自然環境の特徴。住宅(マンション、戸建て住宅)は、そんな季節変化の影響を案外大きく受けるものなのです。 それゆえに、夏の季節であっても、冬の季節であっても不具合が発生しない状態で建設されるのが、正しい住宅 の在り方。冬の季節には、問題なかったものが夏となって不具合が現れてくる・・そんな要素もありますので、 注意が必要なのです。

ここでは、冬の時期に住宅内覧会を迎える住宅(マンション、戸建て住宅)を対象として夏季節と異なる 確認ポイントについて、代表的な要素をご紹介したいと思います。要素によっては、夏とはまったく逆の状態と なっていることが良好な状態と判断しなければいけない要素もあったりしますからね。

床のフローリングなどの繋ぎ目は、少し緩めとなっていてOK。隙間がほとんど無い状態は良くない状態と判断。

冬季節の住宅内覧会 微妙な判断を有する要素ではありますが・・。ひとつの傾向として理解しておくと良いのが、冬の季節に住宅内覧会を したときに、床のフローリング繋ぎ目状況を確認してみてください。夏は、どちらかという隙間が狭く、繋ぎ目の密着度が 高い状態となっているのが良き状態と判断できるのですが、冬は逆に「繋ぎ目部分にはやや隙間を感じるくらいの余裕が あるような施工状態となっているのが良き状態」と判断できるのです。

それは、「温度・湿度環境」が夏は高温多湿で冬は低温低湿となっているからなんですね。基本的には、通常の建材 (フローリング材として適切な乾燥状態を保っている商品)であれば、冬の乾燥環境下にて、フローリング材も 収縮傾向となっているのです。これが次の夏季節を迎えたときには、高温多湿環境の中で、フローリング材が膨張する ことになります。
ですから、冬の内覧時にフローリング材の繋ぎ目に余裕が無い状態のときには、夏になってフローリング材の繋ぎ目部分 が浮き上がってくるという不具合が発生することがあるのです。そうならないためには、冬環境下においては、 繋ぎ目部分に余裕のある状態が望ましいということになるのです。

ただ、一点注意が必要なのが引越し入居後早々に「暖房器具を長時間過度に活用するような生活」を送ってしまった場合、 まだ建材(フローリング材)が安定的な状況となっていないときに暖房による熱や乾燥促進されてしまうと、フローリングの 繋ぎ目がさらに広がってしまったり、フローリング材の反りが生じてきたりすることがありますので、 入居後の生活状況も併せて注意しておいていただければと思います。

  • 冬の環境では、全ての建材(フローリング、壁材)が収縮傾向となっていることを前提にチェックすることが必要。